WHO KILLED THE WORLD ?

基本的に映画鑑賞メモ。その他諸々。

『スポットライト 世紀のスクープ』

古臭い因襲と惰性からなる保守的な権威組織による下劣極まりない罪咎とその隠蔽工作そして不腐しきった制度を、正しい側に身を置く決意を持ち、追求し暴き世に晒したボストン・グローブ紙の取材チームの話。テーマはエグいが作りはドキュメンタリーっぽい真…

『アイアムアヒーロー』

隣の席の母娘タッグがファーストゾンビのシーンで「えっ…こういうやつなん?…」と言って顔を手で覆い始めた時はどうしたものかと思ったが、シッチェスや秘宝で絶賛される類の和製ゴア物件にかなりのイオン客が入っていたのでスプラッター隠しマーケティング…

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』

まず、ルッソ兄弟最高。色んな意味でタクサンの要素をめちゃ上手いことまとめて仕上げてきやがった感。素直に凄いなあと思った。今作のアングルとマッチメイクの妙味を堪能するためにはMCUリテラシーを要するが、単純に試合がめちゃくちゃ面白い(←完全にプ…

『ヤクザと憲法』

めちゃくちゃ面白かった。とにかく登場人物皆キャラ立ちが絶妙。よくもまあこんなにも上手く揃ったものだ。名シーン名台詞だらけ。ドキュメンタリーにおける西成、新世界はいつも外さないが、今作でもおばちゃんがベタながらも熱いパンチラインをさらっと吐…

『ズートピア』

行政(権力)がどんなに公正平等を謳った立派なスローガンを掲げても、誰もが無意識に持つ(それは家族や友達でさえも)差別意識やふとした偏見、先入観によって可能性や機会、権利が呆気無く搾取されてしまうことはこの現代、そしておそらく未来にも遍在し…

『レヴェナント:蘇えりし者』

ある日熊さんに半殺しにされ、トム・ハーディに愛する息子を殺され、身も心もズタズタになったディカプリオがオスカーをこの手に掴むが如く死の淵から這い上がり恐ろしいアースのフォースや幻覚に抗いながら敵を討とうとする復讐のおはなし。ネイチャードキ…

『ディーパンの闘い』

本当に勝手な思い込みだが、主人公が溜めに溜めてる感かなりあったのでこれは爆発的な『わらの犬』スティーを期待できるなと中盤あたりからワクワクしていたら、あれ、最後の締めの花火これで終わり?的な肩透かしをくらってしまった。修理魔ディーパンお手…

『キャロル』

『Rocky Balboa』と同じく、ジェンダーや年齢などによるまさに訳の分からない因襲の桎梏から逃れ一人の人間として当然あるべき幸福追求の権利を叫び他の誰でもない自分としての生き方を掴みとる事を選んだ人の物語。主演二人の演技は言うまでもないが、香水…

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』

スーパーマンが目からビームを発するのを見て恐れ慄いてしまうようなにわかであるが、それにしてもマニア受け以外はあまり上手くできていない印象を受けた。最初と最後は最高だ。完全に詰んで拗らせたヒーロー×2人分の煩悶ドラマの中盤が異常に怠い。後半、…

『ザ・ブリザード』

邦題のせいで一過性ディザスターアトラクションと思い込んでいたらなかなかどうして恰好良い男達の熱いドラマがギシギシに詰まった見過ごせない良作だった。どう考えてもやりたくない恐ろしい任務への呼びかけに腹を括ってやると決める瞬間の「志願シーン」…

『ヘイトフル・エイト』

諦めてたのにローカル線まで駅馬車が来ていると知り春めいてきた今更慌てふためいて鑑賞。バカ雪と頑張るお馬さんこそあれど、基本車内と山小屋セット内だけのベシャリ演劇というはらわたばりにミニマルなヘタするとテレビ的なスケールに纏まった、良くも悪…

『オデッセイ』

ミスター宇宙に置き去りことマット・デイモン、『インターステラー』ではヒールだったが今回は堂々ベビーにフェイスターン。博識でマッチョな植物学者として同情よりも感心させられるほどの火星サヴァ~イブ術を見せつける。とにかく万能、そして懐メロディ…

『ブラック・スキャンダル』

FBIとギャングのズブズブな関係を描くボストンが舞台の犯罪映画。怪奇俳優ジョニー・デップ演じるハゲヤクザのマジキチな挙措がとても良い。『グッドフェローズ』のジョー・ペシの例のやつを繰り出す場面の嫌な空気感はやはり最悪で極上。それより、この映画…

『ザ・ウォーク』

ロバート・ゼメキス×ジョセフ・ゴードン=レビット。その昔、出来立てホヤホヤのWTC間をタイトロープでデスロードしていたというフランス人大道芸人の実話バナシ。 コミカル且つ軽快に進む前半と、もはやケイパー物な準備パートの高揚感が素晴らしい。小ボケ…

『白鯨との闘い』

ロン・ハワード×クリス・ヘムズワース。前作『ラッシュ/プライドと友情』のクソ熱い男泣きシーンでクリティカルを喰らって、今回もそれっぽい素材は揃っていそうで前途洋々だったわけだが、ハナシの漂流先はそんな感傷ドラマの付け入る隙のない、涙も枯れる…

『ナイトクローラー』

エグくてフレッシュなニュース映像が媒介するフェティッシュでエクストリームな恋物語。トニーモンタナもマイケルコルレオーネも彷彿させる魅力的すぎる主人公をジェイクギレンホールが糞タイトに演じている。これは誰でもヤラレるだろう。競り市的な値段交…

『ベルファスト 71』

イギリス映画。予想はしていたが思っていた以上に陰鬱な仕上げだった。前半こそババア絡みの暴動と大好きな不意をつく発砲でアガり、迷子の兵士と突っ走る気満々だったが、どうにもFURY ROADのようにノーストレスでは走ってくれず、、、 また、何個かある勢…

『007 スペクター』

う~ん、前の方が良かったかな(ザックリ)...。 トム・クルーズとかコリン・ファースとか、今年は相手も悪い。

『ジェシカ・ジョーンズ』

Marvel × Netflixのnew。主人公は人並み外れた腕力と跳躍力を持つ女性で私立探偵をしている。対するヴィランは人を洗脳し自在に操ることが出来るキルグレイブと名乗る男。この二人の傍迷惑な痴話喧嘩に振りまわされるヘルズキッチンの人々の話である。サイコ…

『ヘムロック・グローヴ』

とりあえずシーズン1のみ視聴。イーライ・ロスがプロデュース、第一話では監督もしている田舎ホラーだが、狼男と吸血鬼とバイオテクノロジーが絡むというナントモいかがわしいミステリーである。まともなやつがほとんど出てこないフリーキーすぎる素材をベー…

『ヴィンセントが教えてくれたこと』(ST.VINCENT)

近所の少年とベトナム帰りの退役軍人が交流する話。ビル・マーレイ版『グラン・トリノ』と言われる事は不可避。 アメリカが抱えるリアルな社会問題をてんこ盛りにぶっこみまくりながらやや出来レースな展開で強引に持って行き、多くの人を泣かすことに成功す…

『ジョン・ウィック』

冒頭から台詞なしの映像だけで簡潔にネタ振りをしておいて、ワンコをキャイ~ンしたその後はトントン拍子にバンバン悪い敵をなぎ倒していくという、確かなスキルを持った孤独な男の復讐活劇。今時とは思えない古典的とも言える演出のベタさと総合格闘技+正…

tha BOSS 『IN THE NAME OF HIPHOP』

O.N.Oのビート以外でラップするBOSSのソロ、それは期待通りというか予想以上にフレッシュだった。特に冒頭、OLIVE OILからHIMUKIへと繋げた畳み掛けるような熱い流れはBOSSお得意の掴みのファンファーレとして高らかに鳴り響きアガらずにはいられない。BOSS…

『スクリーム』

SNSやLGBTの時代に蘇った『スクリーム』である。 “『ワイルドシングス』のプールシーン選んだらブッ殺す”とか”暇人はNetflix契約した方がいいんじゃない?”とかのぶっ込み加減は良い感じだったが、 『スクリーム』の連続ドラマはやはり疲れる。 メタ視点で視…

『ナルコス』

第2シーズンの製作も決まったNetflixオリジナル”ナルコティック”ドラマ。 コロンビアの麻薬カルテルvsコロンビア政府の構図に、いっちょかみする米麻薬取締局(DEA)も加わり仁義なき殺戮絵巻が展開される。 犬猫殺しや(やめい!)閲覧注意的な実際のグロ画…

『キングスマン』

マシュー・ヴォーン!!! 最高すぎた。監督がマシュー・ヴォーンでスパイ物らしいということくらいの仕込みで臨んだら最高すぎてちょっと真顔になってしまうくらい喰らった。 なんという教会大マサカー!!! 掴みの縦切り株や、溜飲の下がる頭パーン大会な…

『デアデビル』

NETFLIXの無料期間中に何気なく観てみたら最後まで行った。幼少期に視力を失い、今は駆け出しの弁護士として生活を送る男が、ネット通販で買ったコスチュームで身元を隠し夜な夜な自警活動を繰り広げるというマーべル・ヒーロー物。 毎回律儀にシバキ合いの…

『アントマン』

カナザワ以後の鑑賞で恒例となった感想をまず言うと、音小っさ!これが俗に言うカナザワ映画祭シンドロームである。 で、映画はというと、普通に面白かった。家族も職も失ったが侵入スキルだけは高いボンクラが蟻レベルのサイズになって暴れまわって結果を出…

カナザワ映画祭

田舎ホラーのショウケースで盛り上がる北陸からリアルなド田舎に帰還した!今年はワンショットスリーキルなノリで19日&オールナイトの一日勝負だったが、思惑通り期待通りの衝撃と手応えと興奮が得られた滞在だった。まず、4k×爆音仕様の『悪魔のいけにえ』…