『ブラック・スキャンダル』
FBIとギャングのズブズブな関係を描くボストンが舞台の犯罪映画。怪奇俳優ジョニー・デップ演じるハゲヤクザのマジキチな挙措がとても良い。『グッドフェローズ』のジョー・ペシの例のやつを繰り出す場面の嫌な空気感はやはり最悪で極上。それより、この映画で個人的に一番喰らったのは、チンピラ子分キャラを演じるジェシー・プレモンス。その拓ボンばりの顔力とギラついた眼力は冒頭から異様な存在感を印象付ける。他には『Killer Joe』のジュノー・テンプルがチョークスリーパーで絞められて喘ぐ可哀想なバカ女役をこなしており、ここでもその稀有な被虐特性で好感を残す。作品としてはピークも作れずあまりうまくできていない印象で役者の好演を活かせずちょっと残念な感じ。役者は皆本当に良い。ケビン・ベーコンも出ている。でも今作のケビン・ベーコンはズラがおもろいだけかもしれない。