WHO KILLED THE WORLD ?

基本的に映画鑑賞メモ。その他諸々。

2016-01-01から1年間の記事一覧

『スポットライト 世紀のスクープ』

古臭い因襲と惰性からなる保守的な権威組織による下劣極まりない罪咎とその隠蔽工作そして不腐しきった制度を、正しい側に身を置く決意を持ち、追求し暴き世に晒したボストン・グローブ紙の取材チームの話。テーマはエグいが作りはドキュメンタリーっぽい真…

『アイアムアヒーロー』

隣の席の母娘タッグがファーストゾンビのシーンで「えっ…こういうやつなん?…」と言って顔を手で覆い始めた時はどうしたものかと思ったが、シッチェスや秘宝で絶賛される類の和製ゴア物件にかなりのイオン客が入っていたのでスプラッター隠しマーケティング…

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』

まず、ルッソ兄弟最高。色んな意味でタクサンの要素をめちゃ上手いことまとめて仕上げてきやがった感。素直に凄いなあと思った。今作のアングルとマッチメイクの妙味を堪能するためにはMCUリテラシーを要するが、単純に試合がめちゃくちゃ面白い(←完全にプ…

『ヤクザと憲法』

めちゃくちゃ面白かった。とにかく登場人物皆キャラ立ちが絶妙。よくもまあこんなにも上手く揃ったものだ。名シーン名台詞だらけ。ドキュメンタリーにおける西成、新世界はいつも外さないが、今作でもおばちゃんがベタながらも熱いパンチラインをさらっと吐…

『ズートピア』

行政(権力)がどんなに公正平等を謳った立派なスローガンを掲げても、誰もが無意識に持つ(それは家族や友達でさえも)差別意識やふとした偏見、先入観によって可能性や機会、権利が呆気無く搾取されてしまうことはこの現代、そしておそらく未来にも遍在し…

『レヴェナント:蘇えりし者』

ある日熊さんに半殺しにされ、トム・ハーディに愛する息子を殺され、身も心もズタズタになったディカプリオがオスカーをこの手に掴むが如く死の淵から這い上がり恐ろしいアースのフォースや幻覚に抗いながら敵を討とうとする復讐のおはなし。ネイチャードキ…

『ディーパンの闘い』

本当に勝手な思い込みだが、主人公が溜めに溜めてる感かなりあったのでこれは爆発的な『わらの犬』スティーを期待できるなと中盤あたりからワクワクしていたら、あれ、最後の締めの花火これで終わり?的な肩透かしをくらってしまった。修理魔ディーパンお手…

『キャロル』

『Rocky Balboa』と同じく、ジェンダーや年齢などによるまさに訳の分からない因襲の桎梏から逃れ一人の人間として当然あるべき幸福追求の権利を叫び他の誰でもない自分としての生き方を掴みとる事を選んだ人の物語。主演二人の演技は言うまでもないが、香水…

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』

スーパーマンが目からビームを発するのを見て恐れ慄いてしまうようなにわかであるが、それにしてもマニア受け以外はあまり上手くできていない印象を受けた。最初と最後は最高だ。完全に詰んで拗らせたヒーロー×2人分の煩悶ドラマの中盤が異常に怠い。後半、…

『ザ・ブリザード』

邦題のせいで一過性ディザスターアトラクションと思い込んでいたらなかなかどうして恰好良い男達の熱いドラマがギシギシに詰まった見過ごせない良作だった。どう考えてもやりたくない恐ろしい任務への呼びかけに腹を括ってやると決める瞬間の「志願シーン」…

『ヘイトフル・エイト』

諦めてたのにローカル線まで駅馬車が来ていると知り春めいてきた今更慌てふためいて鑑賞。バカ雪と頑張るお馬さんこそあれど、基本車内と山小屋セット内だけのベシャリ演劇というはらわたばりにミニマルなヘタするとテレビ的なスケールに纏まった、良くも悪…

『オデッセイ』

ミスター宇宙に置き去りことマット・デイモン、『インターステラー』ではヒールだったが今回は堂々ベビーにフェイスターン。博識でマッチョな植物学者として同情よりも感心させられるほどの火星サヴァ~イブ術を見せつける。とにかく万能、そして懐メロディ…

『ブラック・スキャンダル』

FBIとギャングのズブズブな関係を描くボストンが舞台の犯罪映画。怪奇俳優ジョニー・デップ演じるハゲヤクザのマジキチな挙措がとても良い。『グッドフェローズ』のジョー・ペシの例のやつを繰り出す場面の嫌な空気感はやはり最悪で極上。それより、この映画…

『ザ・ウォーク』

ロバート・ゼメキス×ジョセフ・ゴードン=レビット。その昔、出来立てホヤホヤのWTC間をタイトロープでデスロードしていたというフランス人大道芸人の実話バナシ。 コミカル且つ軽快に進む前半と、もはやケイパー物な準備パートの高揚感が素晴らしい。小ボケ…

『白鯨との闘い』

ロン・ハワード×クリス・ヘムズワース。前作『ラッシュ/プライドと友情』のクソ熱い男泣きシーンでクリティカルを喰らって、今回もそれっぽい素材は揃っていそうで前途洋々だったわけだが、ハナシの漂流先はそんな感傷ドラマの付け入る隙のない、涙も枯れる…