WHO KILLED THE WORLD ?

基本的に映画鑑賞メモ。その他諸々。

『ヤクザと憲法』

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めちゃくちゃ面白かった。とにかく登場人物皆キャラ立ちが絶妙。よくもまあこんなにも上手く揃ったものだ。名シーン名台詞だらけ。ドキュメンタリーにおける西成、新世界はいつも外さないが、今作でもおばちゃんがベタながらも熱いパンチラインをさらっと吐いていて最高だった。部屋住みの青年と父親代わりのヤクザの大晦日、弁護士と事務のおばちゃんの判決後のやりとりなどは否応なく暖まった。グレーなところでも強引にルールを適用して反体制的なモノを排除抑圧しようとする国家権力の傲慢さはやはり凄まじい気味悪さでそれはそれは堂に入ったヴィランぷりであった。

『ズートピア』

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行政(権力)がどんなに公正平等を謳った立派なスローガンを掲げても、誰もが無意識に持つ(それは家族や友達でさえも)差別意識やふとした偏見、先入観によって可能性や機会、権利が呆気無く搾取されてしまうことはこの現代、そしておそらく未来にも遍在しているのだろうけれども、、、でも、やるんだよ!という“志”の映画。このような作品をリリースするディズニー、そしてヒットするアメリカ最高。

 

「一番怖いのは、訳も分からずに恐れることよ。」

ジュディのこのセリフがSure Shotなパンチライン

『レヴェナント:蘇えりし者』

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ある日熊さんに半殺しにされ、トム・ハーディに愛する息子を殺され、身も心もズタズタになったディカプリオがオスカーをこの手に掴むが如く死の淵から這い上がり恐ろしいアースのフォースや幻覚に抗いながら敵を討とうとする復讐のおはなし。ネイチャードキュメンタリー系の壮大荘厳な映像美は間違いない撮影仕事で長尺でもいつまでも浸っていられる。血と肉と骨、それに皮と毛である。これが全てである。チョップトップ手前のようになっていたトム・ハーディはFURY ROADとこれの両作で共に追われる身になるというキャリアの絶頂のような凄いことになっている。相手はカウンタックパフォーマンスを経てようやく『シャイニング』のラストシチュエーションまで匍匐前進してきた役者馬鹿である。よくわからないが、頂上決戦が見れる映画は最高だ。