『エクソシスト3』 を観た。「お前は誰だ？」「誰でもない、大勢だ。」というレギオン譚。ウィリアム・P・ブラッティの、色々とカルトなクラシック。しかし、というかやはりというか精神病棟が登場する映画は最高だ。これはダウナーな人たちが多いが壁ガン(気の狂った人が壁にガンガン頭を打ちつける行為)などのアッパー描写もあればなお良かった。小人が振り子時計を運ぶ天国駅のドリーミーなイマジネーションも最高だ。あとはなんといってもハサミ。大鋏。大バサミ使いに関しては某バンボロなどは首吊って死ぬレベルの素晴らしさ。デカいハサミは最高だ。ところでこの映画のキモは後のJホラーや低予算サイコのお手本となったであろう特異な演出だが、これはTPOを選び眠い時はひたすら眠い。登場人物はジジイとババアと鶏ガラナースだし、ゴア描写は全てセリフで省略されるのだからそれも致し方ない。窓から漏れる明かりに照らされた二人の男が対峙する構図。これはいかにも“エクソシスト”っぽい。ただ、そこがラバールームで一人は分裂病者、一人は刑事というのが、サイコとオカルトを捻じってこじらせた“3”の“3”たる象徴的なショットとなっている。
