WHO KILLED THE WORLD ?

基本的に映画鑑賞メモ。その他諸々。

『ザ・ブリザード』

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邦題のせいで一過性ディザスターアトラクションと思い込んでいたらなかなかどうして恰好良い男達の熱いドラマがギシギシに詰まった見過ごせない良作だった。どう考えてもやりたくない恐ろしい任務への呼びかけに腹を括ってやると決める瞬間の「志願シーン」がある映画は最高だ。自分の望んでいた本来の目的を鈍らせ眩ませる命令や規則や常識という糞ノイズをオフにして「やる」と決める瞬間が描かれる映画は最高だ。役者もそれぞれ良い。エリック・バナは相変わらず司令塔で頑張っているしケイシー・アフレックとベン・フォスターという個人的に最近熱すぎる脇の二人のスキルも堪能できた。イーライ・ロスアン・ハサウェイを足して割ったようなクリス・パインと見事なまでにオールドスクールな顔立ちのホリデイ・グレインジャーという主役二人のキャスティングがバックインザデイズ感にドン嵌まりで、二人のシーンはもはや古典の画だった。同じく実話系であり、また、紛らわしい先入観という波を被った邦題ディザスター映画仲間の『白鯨との闘い』とは違う、ある種王道アプローチで描かれた海洋極限ドラマだった。しかしあの伝言リレーは上がるわ。